隙を残して、出力しかけ
た部屋をぶち壊す。蛍光
灯のひとつになりすます
と、ぶつかりあう細胞の
ひとつひとつの僕という
人称から溢れさす から
だごと、身を投げていび
つな核のようにふたつは
いらないから いっしょ
くたになって洩れだす声
と排泄物 トイレの流れ
る音に、聴き入る朝に近
い夜 

果実は平坦な鼓動のやわ
らかい部分を書いては消
して円形の奥ばりのよう
にうっうって、のどから
つっかえながら搾取する
 傷ほどではないけれど
 あたまにくっきりと残
って、それが記憶にとっ
てなくてはならないもの
だから はっと する思
い出した頃にはミントに
よる冴え方を やわらげ
るようにまた、熟れきっ
た果実からかすめとった
ら、なんがつなんにちな
んようびの賞味期限なの
。あなたの寝言とは思え
ないはっきりとした話し
かたは種子を匂わせる。



まっくろな葡萄は夜に見
えなくなり、まっしろな
葡萄は発光体みたいに窓
から朝にかけて、熟れた
わりあいで搾取すれば。
と はんぶんにしたフォ
ークで貫通してもう 朝
だ!と 叫ばないように
。切断面を錯覚して、漏
洩する映画DVDの音声
みたいに 目の奥にめり
こむ、おんなのこの声が




ぶれた黒点は さまざ
まな赤を酸化して、到
達した季節ごとに 溺
れた。煮えたぎる陽光
、赤に塗れる。

目に見えないものばか
りが通りすぎる/とっ
くに200mlは飲み終え
ているのに、それがき
みたちの美学であるか
ら 容器を廃棄する。
飲み終えた後のせかい
にきみはいない。左胸
にあてた手が、なくし
た手袋みたいに道端に
落ちていて。さっきこ
どものまえで信号無視
をしたら とうめいな
車にひかれた。出血多
量は 死因にならない
けれど、きみがもてあ
ました 致死量の一部
になったのだから。目
を凝らして、錯覚でき
るのはどうして。